香川初弾が反町日本初逆転呼ぶ/壮行試合

- 前半41分、同点ゴールを決めジャンプして喜ぶ香川。左は内田
<北京五輪男子壮行試合:日本2-1オーストラリア>◇24日◇兵庫・ホームズスタジアム神戸
北京五輪代表のMF香川真司(19=C大阪)が、同代表初ゴールを決めた。オーストラリア戦の前半41分、李、森本とワンタッチパスでつなぎ貴重な同点弾。プロ入り後初となる地元神戸での凱旋(がいせん)試合で結果を出し、反町ジャパンを初となる2-1逆転勝ちに導いた。オーバーエージ(OA)枠を使わないチームに、ロンドン世代が新たなエネルギーを与えた。同代表は29日にアルゼンチンと対戦し、いよいよ北京へ向かう。
狙い通りだった。スペースに走り込んだ香川の足元に最高のパスが来た。1点を追う前半41分。DF内田が出したパスが李-森本と渡ってきた。冷静にGKの動きを見ながら、ゴールに流し込む。飛び上がりながらガッツポーズをつくり絶叫、喜びを爆発させた。
香川 何か落ち着いて決めることができた。素直にうれしい。人もボールも動けばチャンスができる。思い通りの形だった。運動量を落とさないように走り切ることを意識した。
他国は続々とOA選手が決まる中、反町ジャパンは苦しんだ。招集予定だったFW大久保はクラブ事情、MF遠藤はウイルス感染症を理由に選出を断念。ところが、本来は12年ロンドン五輪に出場する世代に救世主がいた。ただ1人飛び級で招集された19歳の若武者は、後半6分にはMF本田圭に40メートルのスルーパスを通し、決定的なチャンスも生んだ。本人は「苦手」という右足でのCKキッカーも務めた。「もっといいキックを蹴らないといけない。課題ですね」と反省も忘れなかった。
プロ入り後、初めての凱旋試合だった。神戸市生まれだが、中学、高校とFCみやぎバルセロナ(宮城)に所属していたため、地元でプレーするのは中学時代以来。「いろいろな方が応援に来てくれた。香川コールには鳥肌が立ちました」と初々しく、はにかんだ。
2人の“兄貴”の分も戦った。北京五輪アジア最終予選で活躍したが、本大会落選のデカモリシことFW森島が、同じC大阪から大分への移籍が決まった時、J1復帰を目指すクラブが移籍を容認したことに疑問を持ち「こんなことがあっていいんですか?」と首脳陣に涙目で抗議した。
A代表でお世話になった大久保にも感謝の気持ちを持っている。16日には練習後に神戸-横浜戦を極秘で観戦。香川は「嘉人さんは怖いけど、ついていけばサッカーがうまくなる」と言い、大久保も「アイツから、いっつも電話かかってくる」と笑う。
このチームでわずか2試合目の出場で初先発。いきなり結果を出した新司令塔に、反町監督は「自分で前を向いて仕掛けていく姿勢がよかった。チームにとって大きな力になると感じた」と絶賛した。29日は五輪のV候補筆頭のアルゼンチンと戦う。「楽しみですね。自分の力がどれだけ通用するか。精いっぱいプレーしたい」。平成生まれのファンタジスタが、40年ぶりのメダル獲得のキーマンになった。【奈島宏樹】
[2008年7月25日9時13分 紙面から]
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