反町日本、最後まで災難/壮行試合

- 試合終了後、険しい表情で引き揚げる反町監督(右端)と選手ら
<北京五輪男子壮行試合:アルゼンチン1-0日本>◇29日◇東京・国立競技場
雑草軍団らしい、試練の旅立ちを強いられた。北京五輪代表が29日、壮行試合で強豪アルゼンチンと対戦。0-1から巻き返しを狙った後半39分、雷雨のために前代未聞の試合打ち切りとなった。五輪開幕前最後の国際試合で、金メダル最有力候補と互角の勝負を繰り広げたが、悪天候に阻まれてホーム初黒星を喫した。年齢制限外のオーバーエージ(OA)を招集断念するなど、苦難の道のりを歩んだ反町ジャパンは、試練を乗り越え、世界舞台で花を咲かせる。
やり場のない悔しさがこみ上げた。反町監督は、試合中断を告げる主審の指示を受け、全身びしょぬれでピッチを後にした。約7分後、日本の敗戦という形で試合成立が決定。「サッカーは何が起こるか分からない。最後までやりたかった」。五輪へ弾みをつける最終戦は、雷雨という前代未聞のアクシデントで不完全燃焼に終わった。
チーム発足から2年。北京世代最強と言われる相手との一戦で、自分たちの実力を試したかった。「このチームが、日本で試合をするのは今日が最後。応援してくれる多くの人々を喜ばせる内容にしよう」と選手たちを送り出した。4万人以上の観衆が見守る中、重圧を感じながらの一戦だった。「日本は過去3大会連続で五輪に出場したが、前半の15分間で5失点している」という懸念も、守備陣の奮闘で前半無失点。1点のビハインドから、岡崎、長友を投入し、終盤のパワープレーで得点を狙った矢先に、無情の雷雨が機会を奪っていった。
チーム発足から2年間、苦難の連続だった。JリーグやA代表戦の影響でベストメンバーをそろえた強化が遅れた。アジア予選中は結果を出しながら、協会上層部の厳しい評価で、解任騒動に見舞われた。さらに五輪開幕を間近に控えながら、OAで招集を予定していたFW大久保はクラブ側の強い拒否で、MF遠藤はウイルス感染症のため断念。MF細貝は右肋骨(ろっこつ)を負傷、FW李も左ひざ痛でアルゼンチン戦を欠場した。
だが、試練を乗り越えるたびに、成長し続けてきた。反町監督は「このチームは厳しくたたかれ続けて強くなってきた。五輪までの期間でいい準備をして、臨みたい」と顔を上げた。ホームアンドアウェー方式で12試合を戦う過去最難関の予選を経て、手にした五輪切符。DF安田が「歯がゆい終わり方だったけれど、本番でぶつけたい」と闘志を新たにすれば、内田も「こういうのも楽しめばいい。プラスに考えましょうよ」と笑った。踏まれれば、踏まれるだけ、たくましくなった雑草軍団。世界を驚かす晴れ舞台が、待っている。【山下健二郎】
[2008年7月30日9時26分 紙面から]
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