米FWアドゥー反町日本の脅威/ING杯

- DF陣に囲まれながらもドリブル突破する米国アドゥー(中央)(AP)
<ING杯:カメルーン1-0米国>◇2日◇香港
【香港=広重竜太郎】米国五輪代表FWフレディ・アドゥー(19=ベンフィカ)はやはり脅威だった。日本戦前最後の試合となったカメルーン戦は、足首痛のため大事を取り、後半19分から途中出場。それでも突出した個人技で次々とチャンスを生み出した。組織的なプレーへの関与は少なかったが、天才と称される才能を発揮。7日の日本戦に向けて勢いを増してきた。
しなやかさと強さを兼ね備えたアドゥーのプレーだった。後半19分からアドゥーがピッチに立つと、それまで組織的なダイレクトプレーを多用していた米国の攻撃が様変わりした。同24分、相手3人に包囲されながらも、アドゥーは左足でボールを保ち、1回転してスルーパスを放つ。パスが強すぎて味方FWには合わなかったが、観客が大きくどよめいた。
同28分には、177センチ、68キロとさほど大きくはない体を、大柄なカメルーン選手に左右からサンドイッチされた。一瞬、止められたが、2人の間に体をねじ込むように突進を再開し、抜き去る。たった1人で次々に局面を打開して行った。
7月30日のコートジボワール戦で足首を負傷。出場時間を限定された。だが不満も焦燥感もない。「先発落ちに失望? そんなことはない。初戦(コートジボワール戦)で足首を痛めたから、監督が大事を取っただけさ。大事なのは五輪の本番だからね」。顔は童顔だが、言葉は落ち着き払っていた。
14歳10カ月でプロデビューという米国プロスポーツ史上最年少記録を持つ。決してリーグのレベルが高くない国内でプレーを続け、その間はU-20W杯に3大会連続で出場するなど代表経験を積んだ。07年には満を持してポルトガルの強豪ベンフィカに移籍。「ここ数年の中でも技術は格段に上がったと思う。いろんなことを学んだし、練習も積んでいるからね」。ガーナにルーツを持つ身体能力と欧州で培った技術が融合し、成長速度が増した。
7月30日のコートジボワール戦では単独突破が通じず影は薄かったが、視察した日本の反町監督はそれでもアドゥーをはじめとする前線を「怖い存在になってくる」と評していた。「W杯以外では一番大きな戦い。米国にとっては五輪は特別だしね。この大会で学んだことを生かしたい」とアドゥー。若き天才が五輪に向けて、心身ともに準備を整えた。
[2008年8月3日8時26分 紙面から]
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