沢あるぞ海外再挑戦、ロンドン五輪へ意欲

- 北京から帰国した沢(左)は大野にふざけて抱きつく(撮影・たえ見朱実)
サッカー女子の日本代表MF沢穂希(29=日テレ)が、海外再挑戦を視野に12年ロンドン五輪を目指す。同代表は3位決定戦のドイツ戦から一夜明けた22日、北京から帰国した。銅メダルこそ手にできなかったが、女子五輪史上最高のベスト4まで進出。沢は4年後のメダル獲得を見据えて自らを鍛え直すため、01年から3シーズン所属した米国など、海外リーグ移籍でレベルアップを図る可能性を示唆した。なでしこジャパンは年内の活動を終えて、解散した。
メダルを手にできなかった悔しさが、新たな意欲をかき立てた。沢はこの日午前中、選手村で帰国の身支度を整え「20代最後の夏は最高でした」と晴れやかに話した。開幕前に掲げていた04年アテネ大会を上回る8強以上の成績と、自身の五輪初ゴールを達成。それでも「1人のアスリートとして、現役であれば(結果に)一生満足することはないと思う。五輪を(引退の)めどとは思ってません」と言葉に力を込めた。
1次リーグ初戦のニュージーランドに始まり、3位決定戦のドイツまで強豪と計6戦。チーム成績と合わせて、ボランチという新たな役割で大会3得点をマークするなど自信を深めた。一方で、体格差を生かしたパワープレーだけではなく、組織的な戦術を採用し始めた強豪国の強さも実感。「世界のサッカーは日々、レベルアップしてますし、チャンスがあればと思う。この大会で海外の強いチームと対戦して、そういう思いもあります」。今回の五輪で海外リーグで再挑戦したい、という思いをかき立てられた。
沢は99年に米女子アマリーグに移籍し、01年から米女子サッカーリーグ(WUSA)のアトランタ・ビートでプレーした。経営難で04年にリーグが休止し、沢も日テレに復帰したが、レベルの高い米国で培った技術と経験が、なでしこジャパンでの活躍につながった。WUSAは男子のMLSの支援を受け、09年に8チームで本格再開する予定。クラブレベルでも国際大会に近い実戦をこなせる機会を得られる。
帰国の成田空港では、なでしこジャパンの象徴の周りに、あっという間に人だかりができ「よくやった!」と健闘をたたえられた。「若い選手たちにも、女子サッカーを背負っていくという気持ちを持ってほしいし、私も伝えていきたい。ただ、今はゆっくり休んで、それからですね」。3大会目の五輪を終えた日本女子サッカー界のパイオニアが、わずかな休息の後に4年後へ走りだす。
[2008年8月23日8時33分 紙面から]
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