反町ジャパン守備の要、伊野波が離脱
- ミニゲームで左足を負傷し、スタッフに肩を抱えられて引き揚げるDF伊野波
北京五輪アジア最終予選初戦を目前に、反町ジャパンの守備の要が離脱した。U-22(22歳以下)日本代表DF伊野波雅彦(21=東京)が20日、都内での同代表合宿2日目の練習中に左足首をねんざ。先発濃厚だった22日の同予選ベトナム戦(国立)前に戦線離脱した。代わって柏DF小林祐三(21)が追加招集される。伊野波は五輪2次予選で主将を務めるなどチームの精神的支柱でもある。正GK西川も故障で今回の招集を見送られており、守備力低下の非常事態となった。
ベトナム戦を2日後に控えた時期に、不運なアクシデントに見舞われた。攻守に分かれてのゲーム形式の練習中。伊野波が、相手チームのFW平山のシュートを阻止しようと、左足を投げ出した。勢い余って、着地した際、左足首を90度に近い角度でひねり、ねんざ。顔をゆがめたまま、動けなくなった。患部をテーピングで固めると、右足ではねるようにスタッフの車へ移動。チームより先に宿舎へ戻って治療した。
チームドクターは「ねんざです。(精密検査は)患部の様子を見て決めたい」と話したが、左足を地面に着けて歩けない状態。試合2日前の故障では完治は不可能。反町監督はこの日、伊野波と水本、青山の主力で固めた3バックを試していたが、練習後の宿舎でスタッフと協議したうえで伊野波の離脱と、小林の追加招集を決断した。
伊野波はチーム発足当初からの主力メンバー。対人勝負の強さと冷静な判断力を兼ね備え、精度の高いロングキックで後方からの攻撃の起点としても活躍してきた。これまでの反町ジャパンの国際試合で計7度、ゲームキャプテンを務めた精神的支柱で、7月にはA代表のアジア杯にも招集された。出場機会こそなかったものの、今回の五輪最終予選で対戦するベトナムやカタールの戦いぶりを直接肌で感じており「アジア杯での経験を財産にし、自分たちの年代の代表に還元したい」と意気込んでいた。
ベトナム戦は4大会連続の五輪出場の行方を占う重要な初戦。だが、正GKの西川が左ひざのじん帯を損傷して今回のメンバーから外れていた。伊野波まで欠場となれば、守備力の低下は避けられない。反町ジャパンが、予期せぬ試練に直面した。
[2007年8月21日9時10分 紙面から]
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