反町日本が貴重な勝ち点1/五輪予選

- 前半、自陣ゴール前まで下がりヘディングでクリアするFW森島(上)
<北京五輪アジア最終予選:日本0-0サウジアラビア>◇C組◇8日(日本時間9日)◇サウジアラビア・ダンマン
【ダンマン(サウジアラビア)8日=山下健二郎、奈島宏樹】U-22(22歳以下)日本代表が、北京五輪アジア最終予選の第1関門を無難に乗り越えた。猛暑のアウエーで、C組最大のライバルと目された強豪サウジアラビアと0-0で引き分けた。反町康治監督(43)は、エースFW平山を先発から外し好調の森島や内田らU-20世代を起用。前線からプレスを仕掛ける従来のスタイルを捨てて、勝ち点1獲得に徹した。同代表は一夜明けた9日夜に帰国し早速、ホームでの12日カタール戦に向けた練習を開始。強豪との2連戦で合計勝ち点4をノルマに、C組首位の座を狙う。
シャツをグッショリとぬらした汗は、暑さのせいばかりではなかった。サウジアラビアの猛攻に耐え、我慢を重ねた末のスコアレスドロー。反町監督は試合終了直後、喜びと悔しさが同居した胸の内を解き放つように、足元のペットボトルを蹴り飛ばした。「最後はドキドキしてたよ。残念ながら勝てなかったけど、過酷なアウエーの環境の中で勝ち点1を取れたことを評価したい」。言葉に力を込めた。
結果次第では自身の進退問題に発展するばかりか、4大会連続の五輪切符も危うくなる一戦で、指揮官は「賭け」に出た。右足内転筋に不安を抱えるエース平山を五輪予選で初めて先発から外し「調子がよくてボールも収まっていたし、前線からの守備力を考えた」と森島を起用。右サイド攻撃の切り札には、公式戦初出場の内田を指名する新たな布陣で臨んだ。「誰か1人だけに頼るわけにはいかない。自分から殻を破っていかないと」。就任から1年、戦力を底上げし続けた成果を大一番で示し、選手の競争意識を高めた。さらに長距離移動後に短期間で迎える12日のカタール戦に向けての主力温存。目の前の勝利にとらわれない長期的な視野での采配だった。
気温35度、湿度70%の猛暑を考慮し、前線から激しくプレスを仕掛ける従来のサッカーを封印。相手を自陣近くに引き付けてから一気にボールを奪い、攻撃に転じた。相手に退場者が出て数的優位に立つと、決定機も何度か到来。そうなると、とかく前がかりになりがちだが「リスクを最小限にとどめて、勝ち点1を取る」ことを最優先に選手たちは意思統一して戦った。
サウジ戦であえて勝ち点3を狙わなかった分、ホームで迎えるカタール戦は絶対に落とせない。メンバーを入れ替えず「選手は常に競争させる。次の試合で勝ち点3を積み上げたい」と反町監督。期待するのは平山や李、上田、細貝らサウジ戦の控え組の奮起だ。ホームで勝って、予選C組の首位奪取なるか-。反町ジャパンの真価が問われる。【山下健二郎】
[2007年9月10日9時11分 紙面から]
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