反町日本首位でもチーム危機/五輪予選

- U-22日本対U-22カタール 試合終了の瞬間、ガッツポーズの反町監督
<北京五輪アジア最終予選:日本1-0カタール>◇C組◇12日◇国立
反町ジャパンの「背水」は変わらない-。男子サッカーのU-22(22歳以下)日本代表が、強豪カタールを1-0で下し、北京五輪アジア最終予選C組で首位に浮上した。前半6分にMF梶山が先制点を挙げると、退場者を出して数的不利な状況に陥りながら守りきり、勝ち点3を手にした。ただ、薄氷の勝利に日本協会首脳からは不満が噴出。反町康治監督(43)をはじめスタッフ陣の入れ替えも検討。予選前半戦を首位で折り返しながら、チーム存続の危機に直面した。
長い長いロスタイムの5分が経過し、終了のホイッスルが鳴った。反町監督は思い切りガッツポーズを見せると、大きく息を吐き出した。両手を腰に当て、極度の緊張と興奮でこわばった体を解放させた。
引き分け以下なら五輪切符が遠のく正念場。サウジアラビアとの厳しい連戦で「勝ち点4」のノルマを達成した。「寿命が縮む思いというのは、このこと。最後まで戦い抜いたことを評価したい」。選手と交わす握手に、力が入った。
最終予選の前半3試合を終えて首位ターン。それでも、日本協会首脳陣の言葉は冷たかった。視察した川淵キャプテンは「勝ったことで良しとしよう」とだけコメント。試合後のVIPルームには「こんな試合で大丈夫か」という不満の声が噴出したという。川淵キャプテンだけでなく、五輪出場を不安視する関係者は多かった。
田嶋専務理事は「このままでは予選の勝ち抜きは難しい。課題が多すぎる」と珍しく悲観的な言葉を口にした。さらに、スタッフの入れ替えについても「技術委員会の考えること」と監督交代を否定しなかった。小野技術委員長は「反町監督を全力でバックアップしていく」と話したが「監督更迭論」は、依然としてくすぶり続けている。
監督就任から約1年、計72人の選手を招集し、五輪2次予選と最終予選で8勝1分けの無敗。「ここまでやってきたことが、間違いじゃないと思っている」と手応えを感じている。しかし、前半開始早々に先制しながら追加点を奪えず、本田拓が2度目の警告で退場した後半23分以降はピンチの連続だった。各組1位のみが五輪出場権を獲得する厳しい予選で、ホーム戦の辛勝。協会の信頼を回復する戦いではなかった。
ただ、04年アテネ五輪時と違い、今回は2次予選からホームアンドアウエー方式。海外合宿を頻繁に行った前回よりも、はるかに準備期間が少ない。8月上旬の4カ国トーナメント(中国)ではJリーグ戦やオールスターに主力選手を取られ、最終予選を前にした貴重な国際試合をチーム強化に生かせなかった。勝利を義務付けられながら、十分な協力を得られていないという現実もあった。
10月17日にアウエーで再び対戦するカタールは手ごわい。今回は故障で来日しなかった主力メンバーも復帰濃厚で、反町監督は「失点はゼロだが、セットプレーでしか得点できていない。チームに足りないところを上積みして臨みたい」と気を引き締めた。国内での逆風をバネに、白星を重ねるしか、北京への道はない。【山下健二郎】
[2007年9月13日9時38分 紙面から]
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