U22日本10人で完封/五輪予選

- U-22日本対U-22カタール 先制のゴールを決めるMF梶山(左上)
<北京五輪アジア最終予選:日本1-0カタール>◇C組◇12日◇国立
最後まで日本の砦(とりで)は破られなかった。U-22(22歳以下)日本代表がカタール戦で最終予選3試合連続完封で、勝利を呼び込んだ。後半23分にボランチのMF本田拓也(22)が退場し数的不利になったが、GK山本海人(22=清水)を中心に守備陣が終盤のピンチをはね返した。精彩を欠く攻撃陣を補って余りある踏ん張りで、同予選前半戦の首位ターンをもたらした。
誰もが失点を覚悟した。後半34分、攻撃参加から戻りかけたDF内田が自陣を見て「危ない!」と背筋を凍らせた。右のスペースを狙われ、対応に追われる中、FWヤハヤにフリーで1対1の決定的場面を許した。同点と思われた瞬間、GK山本は前に出てシュートコースを絞り、さらに左足を投げ出して防いだ。スタンドの一瞬の悲鳴が地鳴りのような歓声に変わった。
読みと勘と、そして運が交錯して生まれたスーパーセーブ。「中がフリーになっているのは見えたが、そのコースに遅れずに飛び込めた。正直、止めたというより向こうが当てた感じ。あまりに読み過ぎていたら左足に当たっていなかった」。1人少ない状況で同点に追いつかれれば、日本に勝ち越す余力は残っていなかった。内田は「海人さんの神懸かり的な守備」と最上級の形容詞を引用した。
正GKだった西川の左ひざ負傷を受けての抜てき。ここにたどり着くまでには1年近く代表から遠ざかる時期があったり、7月の右ひざの故障など回り道があった。「あきらめない強い気持ちを監督も見てくれたと思う」。苦闘を経験したからこそ謙虚になれる。最終予選初戦ベトナム戦の終盤のFKで、あわや失点というセーブをテレビ中継で解説者に厳しく指摘されても「間接的にでも言ってもらえるのはありがたいです」と前向きに受け止めた。
3試合連続無失点は左サイドバックで起用されたDF伊野波の奮闘など守備陣の力を結集して生まれた結果だ。「ミズ(水本)がいいカバーリングして、ナオ(青山直)は相手を前に向かせなかった。後は海人のおかげ。それぞれが役割を果たしてくれた」と伊野波の言葉が物語る。「あまりGKが目立つのはよくないけど、スポットライトを浴びることはあまりないので気持ちいい」。守備陣を代表して光を受けた山本の笑顔は輝いていた。【広重竜太郎】
[2007年9月13日9時38分 紙面から]
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