衝撃!スピード社製水着15mで0秒7短縮
競泳ニッポンにとって、衝撃のデータが浮かび上がった。北京五輪日本代表は24日、都内のナショナルトレーニングセンターで第1次合宿4日目を迎えた。平井伯昌コーチ(44)は、今年に入って世界新を連発する英スピード社製の最新水着で練習し、選手によっては15メートルで0秒7もタイムを短縮したことを明かした。この実験データに、選手からは「最速水着」に対する驚きの声が続出。日本が契約するミズノ、アシックス、デサントの3社にはさらなる水着改良を求めた。
「実験」は前日23日に続き、2日連続で行われ、日本にとって衝撃的な数字をたたき出した。ある選手はターン後の15メートルで、従来より0秒7もタイム短縮に成功。選手からの要望で数人が着用して練習し、軒並み記録を伸ばした。特にスタートやターン後は顕著だったという。
アテネ五輪メダリストの北島康介や中村礼子らを指導する平井コーチは、本番までの懸念材料として「水着が一番心配。今までの水着とは次元が違う。メダルの数が確実に変わる」とまで言った。日本代表はスピード社製は着用できず、着用可能な契約先3社に向けて「企業努力をしてほしい」と、残り約3カ月半での改良を求めた。
今年更新された18の世界記録のうち、17がスピード社の最新水着を着た選手によるものだ。手足を伸ばした状態で「足が落ちない」(平井コーチ)と、水の抵抗を受けない姿勢を維持できるという。3月の欧州選手権のビデオを見た同コーチは「100メートルで0秒5、200メートルで1秒はレベルが上がった」と分析している。
五輪代表選考会を兼ねた20日までの日本選手権で、男子平泳ぎの北島、女子バタフライの中西が、ともに200メートルで今季世界最高となる日本新をマーク。仮にスピード社の水着で、欧州選手権同様に1秒短縮できていたら、どちらも世界新になっていた計算だ。
着用した選手からは「(ライバルに)こんなのを着られたらたまらない」「水着のドーピング」などと、高性能を確認すると同時に、不平等さを訴える声まで出たという。平井コーチも「ハンディを背負うような気持ちが生まれるのでは」と、精神面への悪影響を警戒した。
今回の実験は、数少ない最速水着を着回して行ったため、選手によってはサイズが合っていなかった。それでも好記録連発。日本水連と3社との契約は、12年ロンドン五輪まで続く。打倒スピードへ、現場とメーカーが一体となった強化が急務だ。【高田文太】
[2008年4月25日9時6分 紙面から]
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