北島ら日本新5発!スピードは速い/競泳

- スピード社の水着を着用した北島康介(撮影・田崎高広)
<競泳:ジャパン・オープン>◇6日◇東京・辰巳国際水泳場
英スピード社の最新水着レーザー・レーサー(LZR)が、驚異的な日本新ラッシュに導いた。北京五輪で2大会連続平泳ぎ2冠を狙う北島康介(25=日本コカ・コーラ)は、男子100メートルで59秒44と、自身の記録を3年ぶりに更新。ライバルのハンセン(米国)を抜き、今季世界ランク1位に躍り出た。さらに男子200メートルバタフライの松田丈志(23)らLZRを着用した五輪代表が、計5つもの日本新を樹立。契約の問題で五輪での着用が認められないはずだった「魔法の水着」が、解禁されることが濃厚になった。
異様な雰囲気の中で、北島が会場の期待を裏切ることなく日本新を樹立した。午前の100メートル平泳ぎ予選は、個人契約を結ぶミズノの改良水着で臨んだが、この日の最終レースとなった午後の決勝は、LZRを実戦で初めて着用。するとスタート直後から違った。
水面から顔を上げた時には体ひとつリード。さらに50メートルのターンで引き離し、最後は同じく五輪代表の2位末永に2秒38もの大差をつけ、ハンセンの世界記録に0秒31差へ迫った。「正直驚いている。スピードのこの水着は素晴らしいのでは」と、目を丸くした。
日本新が出るような条件ではなかった。五輪代表選考会となった4月の日本選手権後、各選手は泳ぎ込みや筋力強化に励むため、この時期は常識ではタイムが出ない。しかも北島は14日午前の練習で右肩の腱(けん)に軽い炎症を起こし、満足に練習できないどころか、レースに向けた調整はしていなかった。「調子は悪かった。着心地もそんなによくないよ。それでも速いのは、やっぱり何かある」。水着の性能を感じずにはいられなかった。
北島の前には、日本水連幹部も「記憶にない」という日本新4連発が、すべてLZRで記録されていた。口火を切ったのは松田。04年アテネ五輪で、山本貴司が銀メダルを獲得した際の好タイムを塗り替え、ゴール後に叫んだ。さらに続いた上田は、千葉すずが99年から保持し続けていた、最古の日本記録を9年ぶりに更新。しかも従来の記録を1秒以上も大幅に縮め、会場には「オーッ」という驚きの声があがった。「この時期だし、2分切ることが目標だったけど…。足がすごい楽で、空回りしているのかと思った」と、終始驚きの表情を見せて話した。その後も奥村、中村が続いた。
北島、中村、上田を指導する平井コーチは「こんなの初めて。LZRはアドバンテージになると思われているが、今は着ないと勝負にならないという気持ち」と、五輪での着用も視野に入れた様子だ。
日本水連の契約で、五輪で代表選手はミズノ、アシックス、デサントの3社から水着を選ばなくてはならなかった。しかしこの圧倒的な効果で、契約が見直される流れは止まりそうにない。
北島は「水着が主役になっているのが残念。もっと選手の泳ぎを見てほしい」と嘆き、レース前には「泳ぐのは僕だ」などとプリントされたTシャツを着て入場した。水着ではなく泳ぎの勝負へ。本当の闘いはこれから始まる。【高田文太】
[2008年6月7日9時24分 紙面から]
最新ニュース
- フェルプス五輪閉幕1週間で3億円荒稼ぎ [30日07:12]

- 福田首相と北島
- [2008年8月27日]

- 旗手の北島康介
- [2008年8月25日]

- Vサインのライス
- [2008年8月23日]

- イルチェンコが優勝
- [2008年8月20日]

- 競技に臨むデュトイト
- [2008年8月20日]

- プールに落とされ笑顔
- [2008年8月18日]



