フェルプス8冠へ全種目で圧倒的1番人気
8冠はもらった! 競泳男子マイケル・フェルプス(23=米国)が、五輪史上初の1大会8つの金メダルを目指し、競技初日の9日から登場する。五輪開幕を前に、英国の各ブックメーカー(公認賭け屋)がレースごとの優勝オッズを発表。フェルプスは、出場全種目で圧倒的な1番人気に推された。最初のレースは400メートル個人メドレー。自分自身で「最難関」と警戒するレースを乗り切り、前人未到の金メダル・ロードを突っ走る。
神聖な儀式をつかさどる司祭のようだった。五輪史上最大の挑戦を翌日に控え、フェルプスは静かに語った。「自分のベストを尽くし、限界点を超えられるように準備をしてきたつもりだ」。落ち着き払った声のトーンが、その場の空気を引き締める。わき上がる闘志を、必死に抑えていた。
狙うはスピッツの7冠(72年ミュンヘン大会)を超える8つの金メダル。偉業達成を目指す怪物を、数字が後押しした。英ブックメーカー各社が8日、発表した最新賭け率は、すべて同選手の圧勝を予想した。大手ラドブロークス社のオッズは、200メートルバタフライとチームで出場するリレー2種目が1・01倍という「鉄板」状態。全種目が1・4倍以下の大本命だった。
出場予定のレースは、9日間で17。9日の競技初日は400メートル個人メドレー予選に登場する。「レースはすべて難しいが、中でも最難関は400メートルの個人メドレーだろう」。親友であり、最大のライバルでもあるロクテとの一騎打ちが予想されるレース。逆に、これに勝てば快挙へ勢いづくと確信している。
幸いにも競技に集中する環境は整っている。選手村では、バスケットボールやテニスのスター選手らに視線が集まる中、「オーラ」を消すことに成功。サインをねだられることも少なく、雑音とも無縁。「五輪までくだらないことで時間を費やしたくない」と翌日の競技開始を考慮し、開会式もテレビ観戦を決め込んだ。すべては水の中で出す。フェルプスの挑戦が、いよいよ幕を開ける。
[2008年8月9日8時57分 紙面から]
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