鈴木、原田組が中国振り切り銅/シンクロ

- 銅メダルを獲得した鈴木絵美子(左)、原田早穂組の演技
<北京五輪:シンクロ>◇20日◇デュエットフリールーティン
シンクロナイズドスイミング日本代表が、7大会連続となる五輪メダルを死守した。20日のデュエット・フリールーティン(FR)決勝で、鈴木絵美子(26)原田早穂(25=ともにミキハウス)組が、19日の予選を上回る48・917点をマーク。18日のテクニカルルーティン(TR)と合計97・167点でロシア、スペインに次ぐ銅メダルを獲得した。元日本代表ヘッドコーチ(HC)の井村雅代氏の指導で急成長した、中国の双子ペア蒋■■、蒋文文組を、トータル0・833点差の4位に退けた。22日に始まる8人制のチームでのメダルも狙う。
演技を終えて最後の一礼をする時に、もう鈴木と原田は泣いていた。出迎えた金子正子チームリーダー(TL)の胸に飛び込む。12組中9番目に登場した日本が、先に演技を終えていた中国を上回った。女王ロシアを残してスペインに次ぐ2位。事実上の銅メダルが確定した。「初めて得点より電光掲示板のランキングを見ていた」と鈴木。原田は「みんなが喜ぶ姿を見て、感極まっちゃいました」と笑った。
1つのミスで順位が入れ替わるギリギリの戦いだった。TRで中国から奪ったリードはわずか0・166点。前哨戦の19日のFR予選は中国と同点。重圧の中、開始直後のリフト2連発で波に乗った。20秒近く潜りっぱなしの最後の足技の連続も決めた。演技後は涙目の金子TLから「良かったわよ」と、この4年間で初めて褒められた。
「がけっぷちというよりがけから落ちている」。4月の五輪最終予選後、鈴木はそう言った。ロシア不在の中、デュエットでスペイン、中国ペアに敗れた。事実上の世界4位の格付け。そこから4カ月ではい上がった。控えめな性格の2人が「やってやる」「チクショー」などと、練習で感情をさらけ出した。お互い12年前から金子TLの厳しい練習に耐えてきた。05年秋に原田の父水穂さんが、直腸がんで52歳で亡くなってからは、鈴木家で姉妹のように過ごす時間も増えた。
従来のシンクロ界は五輪前には序列が決まっていた。しかし、アテネ五輪後に日本を支えてきた井村HCが中国に移籍。日本と中国の差がほとんどなくなった。今大会は金子VS井村の代理戦争ともいわれた。試合後、金子TLは井村HCから「おめでとう」と声をかけられ、胸のつっかえが取れた。
84年ロサンゼルス大会で五輪に採用されてから、全大会でメダル獲得の伝統を守った。当初の米国、カナダなどメダル常連国は消え、上位はロシアやスペインに代わった。それでも日本だけはトップ3に残り続けた。次はチームで84年から続く全種目メダルに挑む。【高田文太】
※■は女ヘンに亭
[2008年8月21日9時19分 紙面から]
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