日本完敗、初めてメダル失う/シンクロ

- 気を失った小林(中央)を支えながら引き揚げる日本チーム
<北京五輪:シンクロ>◇23日◇チームフリールーティン
日本代表が壮絶に散った。チーム・フリールーティン(FR)は演技終了後に小林寛美(23)が失神するほど8人が必死の熱演を見せたが、選手の1人がプールの底に触れた減点もあり、47・167点で過去最低の6位。テクニカルルーティン(TR)との合計95・334点で最終順位はロシア、スペイン、中国、カナダに次ぎ米国と並ぶ5位タイに終わった。シンクロが正式競技となった84年ロサンゼルス五輪から続いた「全大会全種目メダル」の伝統が途切れた。
日本の演技が終わると、会場が騒然となった。選手たちはいっこうにプールを出ようとはせず、救助員の男性2人、FRのメンバーを外れていた石黒までプール内へ。輪の真ん中に、ぐったりした小林がいた。仲間と救助員に支えられて、ようやくプールサイドに上がった。関係者によると、演技終了後、過呼吸に陥ったといい、目は開いていたものの、失神状態で担架で運ばれた。最後に8人全員で並んで一礼する場面は、補欠の石黒を補充して取り繕った。
前日のTRを終えて、日本は3位中国と0・417点差の4位。逆転メダルへ、1つのミスも許されない状況だった。金子チームリーダーは「緊張しやすい性格なので、極度の緊張の中で精も根も尽き果てたのだと思う。でも最後までしっかり泳ぎ切っていた。息を吸い込んだところで、吐けなくなったのだと思う」と説明した。医務室のベッドで数十分間横になった後、自分で歩いて選手村行きのバスに乗り込んだ。問い掛けには「大丈夫です。すみません」とか細い声で答えるだけだった。
デュエットの鈴木、原田組こそ銅メダルを獲得したが、チームは悪い流れを引きずっていた。4月の五輪最終予選で、それまで互角だったスペインに完敗。直後、友松由美子ヘッドコーチが「自信がない」と辞任した。高得点を狙った難度の高い演技構成を演じきれず、本番3カ月前になって内容を大幅に変更。それでも、8人の足並みをそろえるのは容易ではなかった。
五輪にシンクロが正式採用された84年ロサンゼルス大会から続いた「全種目メダル」の伝統は、衝撃的な形で幕を閉じた。主将の鈴木は「伝統を守れなかったけど、精いっぱいやった結果」と完敗を認めた。【高田文太】
[2008年8月24日8時22分 紙面から]
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