愛ちゃん“ホーム”で1勝/卓球

- フルセットの末になんとか勝利し、厳しい表情の福原愛
<北京五輪:卓球>◇13日◇女子団体1次リーグD組
卓球女子代表の福原愛(19=ANA)が、中国人ファンの声援をバックに辛勝した。団体戦1次リーグが始まり、日本は3-0でオーストラリアに白星発進。シングルス2戦目に出場した福原は、世界ランク156位ミャオ・ミャオ(27)に3-2で競り勝った。ピンチに熱狂的ファンから「加油(頑張れ)! フーユェン・アイ(福原愛)!」と声が飛ぶなど、中国での人気の高さをあらためて見せつけた。男子もナイジェリア、ロシアに2連勝と快調にスタートした。
序盤は波に乗れなかった。世界ランク12位の福原にとって、156位のミャオ・ミャオは格下のはずだったが、最終第5ゲームまでもつれ込んだ。苦戦に、一部の中国人ファンが反応した。「ジャーユー! フーユェン・アイ!」。個人レベルとはいえ、福原の背中を押す中国語が何度も響き渡った。
3-2で接戦をものにした福原は言う。「中国の方にも応援してもらえるのはうれしいし、力になる。中国語で、応援してくれた。アウェーじゃなくて、戦いやすかった」。戦術を気にするあまり、思い切りの良さが消えていた。「戦術も大事だけど、気持ちも大事」と思い直して、勝利につなげた。
幼なじみが相手だった。中国出身のミャオ・ミャオは、福原が6歳のころに中国・天津で一緒に練習した。手の内は全部知られている。アテネ五輪のシングルスでも初戦の2回戦で当たり、4-3と苦しんだ。「ミャオ・ミャオちゃんとは、何か縁があるのかな」と振り返った。
ミャオ・ミャオに限らず、五輪出場者は中国出身者だらけだ。女子団体の16カ国48人中27人もいる。中国出身選手がいない国は日本を含め4カ国だけ。それでも、福原には地元の観客が味方につく。幼いころから中国で鍛え、巧みに語学を操る。圧倒的な人気は、北京到着時の空港パニックにつながったが、長年の努力の積み重ねは追い風になっている。
「早く試合をしたかったけど、コートに入ると、ワクワクよりドキドキの方が大きかった」。選手村ではテニスの杉山愛らと同部屋。「いろんな人に会って、自分も頑張らないと、という力を受けました」。日中の垣根を越えた人気者が、メダル獲得へ向けて、第2の故郷で白星発進した。【佐々木一郎】
[2008年8月14日8時34分 紙面から]
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