愛ちゃん笑顔で終戦「いい女に…」/卓球

- 敗退した福原愛だが、笑顔で引き揚げる(撮影・田崎高広)
<北京五輪:卓球>◇21日◇女子シングルス4回戦
日本卓球史上初の五輪メダルに挑んだ世界ランク12位の福原愛(19=ANA)は、アテネ五輪女王で同1位の張怡寧(中国)に完敗した。女子シングルス4回戦で対戦し、1-4と03年の初対決から9連敗を喫し、2大会連続の16強止まりだった。それでも敗色濃厚の0-3から1ゲーム(G)を奪取。終盤は互角の展開に持ち込むなど、自身も試合の中での急成長を実感し、12年ロンドン五輪への手応えをつかんだ。男女とも日本勢は姿を消した。
絶望的な状況に追い込まれてからが福原の真骨頂だった。わずか12分間で3Gを奪われ、迎えた第4G。2-4から3連続得点で逆転し、この試合2度目のリードを奪った。その後、一進一退の攻防を繰り返すと9-9から連続得点。最後は豪快にスマッシュを決めた。張から親善試合を除いて初めて1Gを奪った。続く第5Gでは、福原の追い上げにあった6-8の場面で、相手はたまらずタイムアウト。涼しい顔だった女王が汗をぬぐい、焦っていた。
結局1-4だったが、この試合の後半は笑顔でプレーした。「北京五輪は小さい時からの夢。その夢の舞台でチャンピオンとプレーでき、負けたけど満足。ラリーが続いて面白かった。何かは分からないけど、いっぱいつかんだものがある。精神的にも技術的にも強くなった」と、32分間の戦いに収穫を得た。
この日、退任の意向を示した女子代表の近藤監督は「試合前にビデオで研究したり、自分を変えようと必死だった。この五輪が、新しい階段を上るきっかけになるはず」と、ロンドン五輪での飛躍を期待した。
5歳で初めて訪れた中国が北京だった。その後、本場中国で練習し、小学5年生以降は名門の遼寧省を拠点にした。当初は、練習場で「日本人はいらない」と追い出されそうになりながら、その場にいた24人全員を打ち負かし、13人のコーチ全員を納得させたこともある。中国語もマスターした。日中友好の象徴的な存在となり、開会式では旗手も務めた。
アテネよりも思い入れの強い五輪だったが「練習してきたものは出せた。これで負けたのだから仕方ない。次は23歳? いい女になれるように頑張ります」と、最後まで笑顔で話した。3位決定戦で韓国に敗れた団体戦、女王に完敗したシングルスを通してまた成長した。「泣き虫愛ちゃん」の陰は、もうなくなっていた。【高田文太】
[2008年8月22日9時14分 紙面から]
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