植田監督ボイコット「ブラジル行きません」
<男子バレーボール・ワールドリーグ大阪大会:中国3-1日本>◇1次リーグD組◇20日◇大阪市中央体育館
男子バレーボール代表の植田辰哉監督(43)が怒りの“指揮ボイコット”だ。世界ランク12位の日本は同21位の中国に1-3で敗れ、5勝7敗で予選D組3位に終わった。だが、すでに日本協会が主催者推薦を受諾しており、ワールドリーグ(WL)決勝ラウンド(23~27日、リオデジャネイロ)出場は決定済み。植田監督は現場の意見を無視して出場を決めた協会側に不快感を示し、自身と主力メンバーのブラジル行きを拒否した。
「私はブラジルには行きません」。両目を赤く充血させた植田監督の口から、衝撃の言葉が飛び出した。中国に1-3で敗れ予選D組3位が決まった直後の会見。23日開幕のWL決勝ラウンドの指揮を“ボイコット”することを表明した。
主力メンバーの派遣も「日本に残して強化したい」と拒否。萩原強化事業本部長が監督代行を務め、大学生の清水や福沢ら若手主体の「2軍」を派遣する。メンバーは遠征に出発する21日に最終決定される。
日本協会に対しても公然と不満を示した。「まったく相談がなかった。モチベーションが下がったのは間違いない」。チームが大阪で合宿中の14日に東京で協会上層部が集まって国際連盟(FIVB)から打診のあった主催者推薦の受諾を決定したが、大阪にいた荻原強化事業本部長ら現場サイドには事前に何も知らされていなかったという。植田監督は、関係者を通じて協会の立木会長へ「ブラジルへ行くことは北京五輪へ向けてベストの選択なのか?」とメッセージを伝えたことも明かした。
予選3位に終わり、ブラジルへ行く“大義名分”もなくなった。もともとFIVBが「主催者推薦は各組2位のチームから選ぶ」という大会規定を無視して、当時予選4位の日本を選んだことが問題の発端。「もし今日勝って2位だったら(規定を満たすため仕方なく)フルメンバーで行く予定だった」。だが、はからずも中国に敗戦。結果的にルール違反の選出となってしまったことで、苦渋の決断を下した。
代表登録メンバー19人中12人をブラジルへ派遣するため、五輪代表12人のうち日本に残せるのは7人。清水ら5人は地球の裏側へと旅立ち、残留組は監督とともに日本で合宿。決勝ラウンドに行かない場合は、北京五輪から採用される新公式球への対策などを行うつもりだったが。それが本番直前に代表が1週間以上も分裂する異例の事態だ。
植田監督は「頭を切り替えて強化していく」と自分に言い聞かせた。6月下旬から睡眠不足に悩み、今も夜中に何度も目が覚めるという。疲労と怒りは募るばかり。16年ぶりの大舞台を前に、眠れない日々はまだ続きそうだ。【太田尚樹】
[2008年7月21日9時30分 紙面から]
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