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オリンピック名言集

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実況手編

「オリンピックで最後の金メダルになりますが、明日の世代に、子供たちにつながる金メダル、その輝かしい金メダルを日本のソフトボールが獲得しました」

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 工藤三郎アナ(55=NHK) 2008年北京大会:ソフトボール・金メダル
 北京大会を最後に五輪種目から外されるソフトボール。五輪の時だけ注目される種目が五輪から外れたら、その将来は決して明るいものではないと思うのが一般的な考えだろう。だが工藤アナは、「最後の金メダル」と言った直後に「明日の世代につながる」と言った。一見すると矛盾するように聞こえる、この実況の真意はどこにあったのか。
 勝手な推測だが、上野の熱投に象徴されるソフトボール代表の闘志あふれる戦いぶりは日本中を感動させ、(ソフトボールはこんなに素晴らしい競技なんだ)と認識した人は少なくなかったろう。この金メダルは五輪頼みのソフトボールから、五輪がなくてもその素晴らしさが伝わる競技へと昇華した象徴であると言いたかったのではないか。そう考えると「君たちの勝利はそれだけ素晴らしい」ということであり、それは即ち工藤アナからソフトボール代表へ贈る最大級の賛辞と言っていい。それを絶叫するでもなく、感情を表に出すでもなく、淡々と語る中で出すあたりは、もう「参りました」と言うしかない。
 実況に求められるのは客観性であり、その中にアナウンサーの主観が入るのはいいが、主観が表に出すぎると感動の押し売りになったり「それはあんたがそう思ってるだけだろう」という反発につながりかねない。静かな語り口の中に愛情あふれる表現をオブラートに包んだこの実況は、やはり「参りました」という言葉以外に適当な言葉が見つからない。録画して何度でも聞きたくなる実況である。
 ※写真は優勝直後の日本チーム(撮影・宇治久裕)



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