湯元、兄弟タッグで銅だ~/レスリング

- 銅メダルを獲得した湯元は歓喜の雄たけび(撮影・蔦林史峰)
<北京五輪:レスリング>◇19日◇男子フリースタイル60キロ級
レスリング男子フリー60キロ級で湯元健一(23=日体大助手)が、3位決定戦でバザルグレエフ(キルギス)を破り銅メダルを獲得した。セコンドとして帯同した双子の弟進一(23=自衛隊)が心身ともにサポート。「兄弟タッグ」でメダルを手にした。
同じDNAを持つ相棒の呪文(じゅもん)が湯元を勇気づけた。「お前が強い。お前が強い」。大一番に弱いはずの湯元が、虎の目になった。1-0で迎えた3位決定戦第2ピリオド。弟の「アンクルホールドに行け!」の指示に、兄は一瞬で反応した。小学生時代から湯元が得意とする必殺技だった。23年間ともに歩んだものだけが分かる極上のコンビネーションで表彰台を引き寄せた。勝利の瞬間、右手を上げて雄たけびを上げると「攻め続けることができた。自信がついた」と笑顔で振り返った。
小3のとき、高校時代レスリング選手だった父鉄矢さん(43)につれられ進一と3人で高校総体の予選を見にいった。会場でジュニア教室の指導者に誘われ競技を始めた。1年半後、父がたまたまのぞいた試合で湯元は同い年の女子選手に負けた。「情けない」。父直々の厳しい指導が始まった。使い古しのマットを自宅に敷き詰めた手作り道場。5キロランニングは2人がさぼらないように車で追跡された。拳飛ぶ激しいトレーニングにも泣き言もいわず兄弟励ましあって成長を続けてきた。
ともにマットに立つはずだった弟は、昨年の全日本選手権で、この日、銀メダルを獲得した松永に敗れ、男子フリー55キロ級の代表を逃した。それでも今大会に向け、兄の完全バックアップを志願。大会前の合宿では同室で、練習中のスパーリングパートナーを務め、他国の出場選手の分析もこなした。「兄に良い成績を残してもらうことが、僕にとっても今後につながると思う」という弟の気持ちが湯元を後押しした。
まだ23歳と、今回出場しているレスリング勢では最年少。「銅メダルは通過点です。五輪には弟と出ないと喜びも足りない。ロンドンは2人で金メダルを取りたい」。4年後は必ず弟とマットに立つ。そして父のために2つの黄金色のメダルを持って帰る。
[2008年8月20日8時56分 紙面から]
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